世界が溶け出す瞬間を

二次元に恋に落ちたらこうなっちゃったんだよ。

すきなひとに三次元で会ってきた話&桐皇というエモーショナルの限界地点

以前こんな記事をあげていました。

rede.hatenadiary.jp

とうとうこの日がやってきた。さあ、殴りあおう。


というわけで黒ステIGNITE-ZONE見てきました。遅くなりましたが感想を残しておきます。
結局初日と大楽含めて5公演見てきました。東京楽は最初からKAT-TUNとかぶった関係で諦めてたんだけど、ほんと大楽のチケットだけ手に入らなくて直前まで胃が痛かったよね。結局当券で入れたけどひやひやした。

 

すきなひとが三次元になるということ

まず赤司くんの話からいうと、糸川くん悪くなかった。そんなに喧嘩しなくてすんだ。平穏。いや、平穏は言い過ぎだけど。
なんというか「糸川くんが演じる赤司くん」であってわたしの知ってる赤司くんじゃない、というのがびっくりするくらいするりと飲み込めてしまった。糸川くんがまさかわたしの赤司くんを降ろしてくるとはおもってなかったし。ただ、糸川くんが原作ベースで赤司くんを組み立てていて、最後まで原作読んでるからこそ、どちらかというと少し俺赤司くんをベースにしているなあっていうのが感覚的にあって、だからこそなんというかあまり喧嘩する気が起きなかった。だってわたしのすきな赤司くんは俺赤司くんがベースなので。
性格のベースとしての構築にわたしの赤司くんとの乖離をそれほど感じなかったこと、そのうえで糸川くんの演じる赤司くんは、赤司くんを演じようとしている糸川くんでしかないこと、なんだろう、言葉にすると変だけど、とにかく「わたしの赤司くんではない」ということが初日からすぱっと割り切れてしまったので、変に感情移入もしなかったし、極端に解釈の不一致で喧嘩することもないというか、逆に別物として、ああ、なるほどなって思う範囲内には収まっていた。

正直前回の記事読んでるひとには拍子抜けだと思うんだけど。笑
でも初日に見たあの残像のことは、きっと一生わすれないんだとおもう。

カテコで糸川赤司くんがはけるとき、裾をひらりとはためかせて後ろを向く、その瞬間のジャージの裾の翻り方、残像みたいにみえたその瞬間のジャージが、わたしが見たことある「赤司くん」のものだった。
あのジャージの裾の翻る光景、記憶がある。赤司くんが3年生のとき、IHのときの後ろ姿だ。はるかとおくスタンドから見ていたわたしは、その誇らしげな後ろ姿で感極まったこと、いまでも覚えてる。(注:なお歴による赤司くんの行動です)

なんだろうな、こんな一瞬見せられたら、一瞬であっても、残像をよみがえらせてくれたから、どうしても糸川赤司くんのこと嫌いになれそうになかった。
わたしずっと2.5だったり声優ライブとか追ってるときに思っていることがあって、たった一瞬でもいい、パーフェクトであることなんて求めない、「わたしの」愛した彼の面影を「どこか一瞬でもいいから」見せて、ってそれだけの気持ちで通ってるから、初日のあの日あの一瞬で、なんかもうぜんぶゆるせてしまった。
わたしの知ってる赤司くんのたった一瞬を瞼の裏側で描くために、わたしはこの現場にいるってつよく思った。

だからもう一度だけ、残像を見せてよってすがるみたくチケットを増やした。赤司くんにばかだなあって言われちゃうかな?面影追うためにチケット増やすなんて。
結局はっきりと残像を見せてくれたのは、あの初日の初回だけだったなあ、って思い返すとおもうんだけど、まあカテコで青峰と日向せんぱいに構われてる赤司くんはわたしの赤司くんではなくとも普通にかわいかったので、まあいっかって気持ち。

ただ、もともと解釈が必要なシーンがほとんどなかったわけで、赤司くんとしてそこに存在するだけで許された今回は、やっぱり試合がない以上顔見せでしかない。
きっとほんとに喧嘩をするならこれからなんだ。
洛山秀徳戦も、洛山誠凛戦も、きっとあるって信じてるから、ぜったいに妥協しないで赤司くんを作って持ってきてくれ。いまのわたしに言えることはそれだけだ。
次に出会ったときまた、喧嘩をしよう。そのときまで待ってる。

 

桐皇というエモーショナルの到達地点

今回どうしても書いておきたい、桐皇の話。ほんとにまじのまじで桐皇がひたすらやばかった。まじでこんなに涙でる??ってくらい泣いた。
東京公演見てたとき、小沼青峰みながら、ああ、あとちょっと足りないな、青峰としてはほんの少し掛け違えてるなって感じがずっとぬぐえなくて、でも小沼だから、きっとやりきるだろうと思って、凱旋で帰ってくるの待ってた。
他の子たちもわりと淡々としてて、ちょっとのセンチメンタルと、前を見据えるチーム桐皇がいて。それはそれでよかったんだ。普通によかった。桐皇に涙は似合わない。暴君の振る舞いの裏側に微かに残る感情の吐露、そういうチームでいてくれていい、とおもっていた。

それで前楽見たんだけど。
もーーーーーーーーーーーーーーーーーー桐皇こんなエモかった!?!?!?!?!?ってくらい突然エモの爆盛りすぎてしんだ。
青峰もめちゃくちゃめちゃくちゃよかった。でも、桜井も若松も、もっと言うなら今吉さん。ほんっとおおおおおおおおおおおおおおによかった。まじでアイラインどころでなくアイメイクぜんぶはげるくらい泣いた。もう全員なに喋っても負けた以降のシーンが大号泣で、まさか今吉さんでしぬほど泣くはめになるとはおもわなかった。

今吉さん。新チームに移行するところ、前楽で「1回戦負けやで」って発破かけようとするシーン、ずっと声が泣いてたね。大楽は背中を向けたまま、いつもより喋り出すのが遅れて、どう考えたって涙をこらえるみたいな言葉のないその空白が、くやしくてつらくていとおしかった。
若松さん。試合後に、みんなで並んで頭を下げて、ありがとうございましたって言ったそのあと、木吉先輩が顔をすくいあげてくれるまで、なかなか顔を上げられなかったね。そのあとのシーンも、誰も彼も本心を堪えるみたいな桐皇のみんなの中で、あなたの隠そうとしない溢れるような感情が、ずっと光る道標みたいだった。
桜井くん。今吉さんの言葉を受けての「悔しくないわけ、あるもんか」のひとこと、後輩から先輩にあげられなかった「最後の優勝」へのくやしさとかやるせなさとかさみしさとか、いろんなぐちゃぐちゃした感情の奔流がありったけ詰められてて、こっちも感情が増幅されるみたいで、だいすきだったよ。
桃井。青峰とのシーンで、茶化すみたいに言おうとした「奢ってよね」の言葉が涙で滲んでて、走り去るその後ろ姿に隠された涙が、ずっと見守ってきた幼馴染に対する感情、ずっと一緒に走ってきたチームメイトに対する感情、いろんな関係を共有してきた「青峰への感情」が詰まってるんだなあと、思いを巡らせるほどくるしくて泣いてしまった。

そして、青峰。うまく言葉にできそうもない。ほんとにほんとに全部よかった、けど。
負けた直後、黒子のわがままで拳を合わせる瞬間、思い返すみたいに瞳を閉じて、かみしめるみたいにゆっくり合わせた拳、その向こうで黒子ちゃんも泣きそうな顔してて、それでも合わせられる拳、あんなに縺れたふたりの行きつく先で、こんなにも切ない拳の合わせ方、ハッピーエンドと呼ぶには苦しすぎてどうしようもなかった。
そのあとの桃井とのシーン、前楽もぼろっぼろに泣いてて、それもしぬほど感情を揺さぶられて涙がぼろぼろ出たけど、とにかく大楽がすごくて。青峰が言った、絞りだすみたいに苦しい、嗚咽のすきまから零れ落ちる「新しいバッシュほしいんだ」と「練習してえ」、吐息みたいな声なのに台詞の重みがすごすぎて、そのままその場で大声を出して泣いてしまいたかった。きっともう先輩と試合できないことに対する思いもあったんだろうな。それはきっと青峰である以上に、小沼の気持ちかもしれないけど。それでも、青峰が今吉さんに感謝してないわけはなくて、きっと今吉さんの放任主義がなかったら、あんなにも絶望した状態で、青峰はバスケを続けられなかっただろうし、青峰本人はまだ気付いてないかもしれないけど、青峰を演じている小沼は当たり前のように思っていただろうから、重なり合った先に現実だけが少し先を走るみたいになってたけど、それでも、ぜんぶありったけ感情が流れ出てしまったあのひとことを、いとおしいと思わずにはいられなかった。
もう聞いてもらう、見てもらう以外にこれが伝わると思えないから、本当に本当に、青峰が好きなひとにはどうしてもきいてほしい。あれが原作の青峰を表現した100%の正解とはわたしも思っていない、それでも、感情があふれ出して止められなくなってたあの瞬間の青峰を演じた小沼のあの演技を、感情を、わたしは否定することができない。「キャラクターが降りてくる」のとはまた違う、感情の最高到達地点みたいなものを突き付けられ続けて、桐皇が負けてからのシーン、ずっとエモーショナルという概念に殴られてる感じだった。

桐皇がなんでこんなにもエモーショナルの極致みたいな演技になったのか、考えてたけど、黒ステがもう3年目に入って、初演の頃からいてくれてた桐皇の子たちは、つまり今年で3年目だった。「高校3年間」と同じ期間だけ、チームメイトとしていてくれたんだな、と思ったら、なんかもう途端に泣けてきて仕方なくて (いやまあキャス変もあったけど)
こんなくやしい終わり方したくなかったはずで、それでも負けてしまった彼らのこの悔しさ、震えるほど伝わってきて、ここで終わらなければいけない、次のないWCという現チームの終着地点としての桐皇と、次以降の公演にはぜったいに桐皇としての試合がないキャスト陣の状況が重なって、心も体もはりさけそうなほどつらかった。
今吉あっきーさんが、ブログでひとことだけ「3年間ほんまありがとう」って書いてきたのがもーーーーーーーーまたしんどくて。

ねえ、ちゃんと見えてたよ。
いろんなこと口うるさく言ったこともあったけど、黒ステのキャスト勢もスタッフさんもいろんな制約の中で、やれる範囲のことをきちんと精一杯がんばってたの、わかってる。
だからこそ演技以上に、現実と重なり合って共鳴し合って感情が増幅されてたどり着いたあの場所が、ほんとうにどうかなりそうなほどいとおしかった。
ありがとう。3年間、桐皇としていてくれて。

陽泉は陽泉としてとてもよかったんだけど、もーーーーーーー桐皇のまばゆさみたいなもので目がちかちかしてしまって、ちょっとあれは反則気味だったので、言葉にすると悪いみたいだけど、かすんじゃったところはあったな。陽泉として1公演できればよかったけど、そうも言ってられないもんなあ。ほんとうにもったいなかった。だって鮎川太陽のむっくん、すごくよかったんだ。むっくんのこわいけど子供っぽくてちょっと憎めないところがうまく出てて。


とにかくIGNITE-ZONE本当におつかれさまでした。
くるしい試合だったなあ。それでも見守れてよかったです。ありがとうございました。